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骨折の予防


高齢者の骨折予防

高齢者に多い骨折 手首
それでは、本題の、高齢者に多い骨折について、お話をします。滑ったり、つまずいたりして、転んだとき、手を付きます。すると、手首の骨の骨折を起こします。手首が曲がり、ひどい痛みを伴います。手首の関節が脱臼したと思う人もいます。肘から手首の間は、二本の骨があり、とう骨と尺骨の二本で、親指側の太い方のとう骨が折れて、それに伴い、尺骨も脱臼することも多くあります。残念ながら、この様な場合,動かさない様に、三角巾かスカーフで、首から吊って、急いで、接骨院か、整形外科か、総合病院へ、連れて行って貰って下さい。痛みのひどい場合は、タオルを水で濡らして、手首に巻くと、多少は痛みが,やわらぎます。
また、総合病院では、手術をすることが、多いようです。
足の怪我と、違って寝たきりになることは、少ないようです。
しかし、骨が付くまでに、一ヵ月半ぐらいは、安静にしなくてはなりません。その後のリハビリも、順調に行っても、固定期間の二倍掛かります。この間、普段の生活に近い生活をして、認知症の予防に、気を付けなくてはなりません。生活環境の変化が、きっかけで急に症状が出る人があります。


高齢者に多い骨折  肋骨
次に、肋骨も高齢者に多い骨折です。肋骨は片側に12本ずつ、合計24本あります。ちょっと触ってみてください。触ってみると、太そうですが、厚みがありません。その為、折れやすい骨です。
肋骨は、何のための骨でしょうか。大切な心臓や肺を守っています。そして、呼吸をするためでもあるのです。肺という臓器は、自分で空気を吸ったり、吐いたり、しているのでは無く、肋骨を動かして、吸ったり吐いたりしています。勿論、肋骨だけでなく、横隔膜を、上下させて呼吸しています。ここを痛めると、咳、クシャミで、痛みが出ます。全身の骨の中で、ここだけが特別です。普通は、怪我をした時が、一番痛くて、後は徐々に軽くなるのですが、肋骨の特徴として、1週間後が最も、痛みます。だんだん痛くなって、2,3日してから、来院される人が多いです。レントゲン検査で写らない事も特徴です。ザルを透かして見ても、重なり合って、折れているところがわからないのと同じです。1週間過ぎて、仮骨といって、骨をクッける糊が、出てくると、仮骨がレントゲンに映り、判別できるようになるため、最初は、症状で診断します。逆に、受傷直後に、レントゲン検査をして,異常が無いと、言われて、徐々にひどくなってから、うちに見える方が、時々、居ります。あまり我慢せずに、痛みのあるときは、気軽に受診して下さい。セカンドオピニオンという言葉を、ご存知でしょうか。セカンド二番目の、オピニオン意見という意味です。高齢者の方ほど、義理堅く、あの先生に診察してもらったからと、セカンドオピニオンを、嫌がる傾向にあります。自分の体が、何よりも大切ですし、自分しか大切にしてくれません。痛い、痒いは自分持ち、痛いところを我慢しても、誰も誉めてくれません。それどころか、何で、もっと早く言ってくれないの、と叱られる時代なのです。何事も、耐え忍んで、我慢することが美徳の時代は、遠い世界に行ってしまいました。事、痛みに関しては、積極的に伝えた方が、いいです。


高齢者に多い骨折  上腕
次に、高齢者特有の骨折として、腕の付け根の骨折があります。肩と肘の間は、骨が一本しかありません、その上腕骨の、上の方が折れやすいところです。ドスンと、倒れた時に、手を付いたり、肘を付いた時に骨折します。若い人は、同じように転んでも、肩関節の脱臼や、鎖骨の骨折を起こします。症状は、痛くて痛くて手が動きません。正しい診断と、正しい治療により、治りは悪くありません。二三日すると、腕全体と胸まで内出血で、真っ黒になります。腕の張れと内出血で、このまま死んでしまうのでわと悲観する人もいますが、その割りにケロッとする人が、多い骨折です。


高齢者に多い骨折  大腿骨
同じ付け根でも、足の付け根は違います。大腿骨頚部骨折といって、人の骨の中で、一番太くて大きな骨の、上端の直角に曲がった所の骨折は、今までと違って、厄介です。命に係わる事もあります。歩く事も、立つ事も,出来ない為、肺炎を起こしてしまう事があります。そこを乗り切れば、手術をします。うまく行けばリハビリを始めます。私のところでは、今は、総合病院に紹介します。日本では年間15万件くらい発生しています。私は往診もしているのですが、高齢者が転んで、動けない場合、これが多いようです。寝たきりになる骨折の中の、一番です。


高齢者に多い骨折  背骨
次に多いのが、背骨の骨折です。若い人の場合、交通事故か、高い所からの転落でもなければ、骨折しませんが、高齢の場合、転ばなくても、骨折することがあります。後ほどお話しする骨粗鬆症の、関係で、起こりやすのです。壁を背にして、立って、踵と頭が、壁に着けば、問題ありませんが、頭をつけるのに苦労する人は、これが考えられます。腰が痛かったが、何年かして、腰が曲がったら、あまり痛まなくなった。という人の、話を聞いた事があると思います。腰が曲がっている人は、背骨に、小さい骨折あった可能性があります。こんな所が、高齢者の骨折の、主なところです。